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カカオごと香の図について


カカオごと香の図は、香道で使用される源氏香図からヒントを得て作成した、カカオ産地ごとのチョコレート風味の傾向を知るために活用する指標図です。


日本の伝統文化、香道(こうどう)は、日本において香りを楽しむ文化として、平安時代に起源を持ちます。この時代に宮廷文化が花開き、源氏物語が成立するなど、文学や芸術が盛んになり、貴族社会の日常や宮廷行事に密接に関連した文化として発展しました。

現在、源氏物語を書き上げた紫式部の物語NHK大河ドラマ「光る君へ」が放送中。この時代に香道が盛んになったのだなと思いながら、毎回楽しみに視聴しています。


Photo by 文化遺産オンライン


この画像は源氏物語の各帖に対応する香の名前が書かれた実際の源氏香図です。これを基にして「香合わせ」という遊びが行われていました。この遊びでは、参加者が盲目的に香りを嗅ぎ、どの帖の香りであるかを当てるゲームです。源氏香図は、文学作品としての源氏物語だけでなく、香道と呼ばれる香りを楽しむ文化の中でも特別な位置を占めていました。


カカオごとのロゴは、この源氏香図からインスピレーションを得て作ったもの。香道とカカオは異なる文化圏から来たものの、多くの共通点を持っていると感じたからです。


遊女禿聞香図 Photo by 香千秋


香道とカカオ、考える共通点を5つあげてみました。


① 嗅覚の楽しみ:香道は香りを嗅いでその香りを鑑賞する「聞香(もんこう)」を重視します。同様に、カカオ文化でもチョコレートの香りを楽しむことは重要であり、テイスティングの際に香りが味覚に大きな影響を与える点が似ています。


② 文化的背景:香道は貴族文化や禅思想と深く結びついているのに対し、カカオは中南米の先住民族の儀式や文化と関連し、神聖な食材としての位置づけもありました。どちらも特定の文化や伝統の中で重要な役割を果たしています。


③ 精神性:香道は香りを通じて心を落ち着かせ、精神的な豊かさを追求する芸道ですが、カカオもその香りや風味が人の心を和ませたり、満足感を与えます。


④ 品質の重視:香道では香木の品質が非常に重要であり、産地や品種、熟成度などで香りの質が変わるとされます。カカオも同様に、産地や品種、発酵・焙煎の工程によって風味や香りが異なり、美味しいチョコレートを作るには高品質であることがとても重要です。


⑤ 作法・形式:香道には「組香」や「香合わせ」など独自の作法があります。一方、カカオのテイスティングやチョコレート作りにも独特の手順や方法があり、これらを学ぶことでより深く味わい、楽しむことが出来ます。


チョコレートをテイスティングする時、いろんな方法があるのですが、大きくわけて6つの香りに分けて表現します。その香りを視覚的わかりやすく表した図が、カカオごとの香の図です。

例えばこのタンザニア産チョコレートの香の図。左から順に、フローラル、フルーツ、ナッツ、チョコレート、スパイス、酸味となっており、それぞれ5段階評価しています。棒が長ければ長いほど、香りが強く、長さが均一化していないものほど、個性が強い。また、同じくらいの香りであれば、横棒で繋げています。このタンザニアのチョコレートは、酸味が強く、フルーティーな香りが特徴ということがわかります。もちろん、各農園、発酵方法、コンチング、レシピなどによって変わりますが、最初に自分好みを見分ける方法の一つとして活用していただけるよう作成しました。


チョコレートはいろんな香りが混じり合っているので、より複雑な風味を感じることが出来るのですが、それは実際にテイスティングしてのお楽しみ。1000以上の香りを持つカカオ。産地別やペアリングするドリンクによっても、風味が変化します。


カカオごとでは、チョコレートテイスティングや、産地別のカカオ100%チョコレートを使ったチョコレートドリンクなどをご提供する場をオープンする予定です。その他、季節のカカオ菓子など、新しいアプローチでカカオの奥深さを体験していただけるような空間を作っているので、ぜひお楽しみに!


最新情報は、カカオごとインスタグラムから @cacaogoto

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